後見人、保佐人、補助人の同意権・取消権について

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後見人、保佐人、補助人の同意権・取消権について

 

同意権・取消権について

 

 

本人の行為を同意する場合や、取り消す場合には、具体的にどのように行うのでしょうか?

 

同意権について

本人の行為に同意する場合には,契約書等に本人が署名捺印した後に,「上記行為(又は契約)に同意します。」な どと記し,「 被保佐人○○○○保佐人」「 被補助人○○○○補助人」とし て保佐人等が署名押印します。本人が保佐人等の同意を得ないで保佐人等の同意を要すると定められた行為をした場合には,保佐人等はこ れを取り消すことができます。また、その行為を取り消さずに追認をすることもできます。

 

取消権について

取消権の行使は,保佐人等から相手方に対して意思表示をすることにより行います。少なくとも,法律行為(契約など)を特定し,それを取り消す旨を表示することが必要です。(例えば,「被保佐人○○と貴殿とが( △△年△△月△△日に)した□□の売買契約を取り消す。」で足りますが,加えて問題の解決方法(精算のための示談を望むとか民事訴訟を提起するなど)を示すこともあります。なお,口頭でも取消しの効力は生じますが,裁判時の証拠 として内容証明郵便など記録されるもので通知しておくことが望ましいでしょう。

 

また,契約等の相手方から,本人の行為を取り消すか追認するかの確答を求められた場合,以下のとおり,その行為を追認するか取り消すかいずれかに確定させ ることができます。

・相手方が,保佐人等に対し,1か月以上の期間を定めて追認するかどうかの確答を求めた場合に,保佐人等が確答しなければ,追認したものとみなされます(民法第20条 2項)。よって,契約は有効になります。

・相手方が,本人に対し,1か 月以上の期間を定めて補助人の追認を得るように求めた場合に,本人がその期間内に追認を得たとの通知をしなかったときは,取り消したものとみなされます( 民法第20条4項)。よって,契約は初めから無効であったことになります。

 

参照:家庭裁判所発行 保佐人・補助人ハンドブック

 

 

同意権・取消権の範囲について

保佐人の同意権、取消権は民法13条1項所定の行為※について認められております。

さらに、民法第13条第1項以外の行為についても、同意権付与の審判を申立てることによって、保佐人は同意権を追加的に持つことができます。

 

この追加部分は、必要がなくなれば取消すこともできます。

(これに対し、民法13条1項の行為は、法律で規定された行為なので、削除することはできません)

また、本人が不利益を受けるおそれが無いにも関わらず保佐人が同意しない場合には、本人は家庭裁判所に保佐人の同意に代わる許可を求めることができます。

 

一方代理権については、保佐人、補助人ともに、民法13条1項所定の行為以外についても行うことができます。例えば、財産上の行為だけではなく、介護サービスなどに関する契約、介護保険の認定申請、裁判手続や登記申請などの行為についても代理することができます。一方、婚姻、認知等の身分行為や、医療行為などの同意等、一身専属的な行為は、代理できず、遺言についても同様とされています。

 

※13条1項について

13条1項の行為は次のものを言います。

 

・元本を領収し、又は利用すること。

「元本の領収」とは、利息や家賃、地代が生じる財産を受け取る事をいいます。預貯金の払戻しや弁済金の受け取りなども含まれます。「元本の利用」とは、利息を得るためにお金を貸しつけることや、不動産を賃貸することを言います。

 

・借財又は保証をすること。

「借財」とは、金銭を借り受けることをいいます。「保証」とは、借入金債務の保証人として保証する事をいいます。

 

・不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。

 

・訴訟行為をすること。

特定の条件の場合、同意はいりませんが、原則訴訟行為をする場合は同意が必要です。

 

・贈与、和解又は仲裁合意(仲裁法 (平成15年法律第138号)第2条第1項 に規定する仲裁合意をいう。)をすること。

 

・相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること。

 

・贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。

 

・新築、改築、増築又は大修繕をすること。

 

・第602条※に定める期間を超える賃貸借をすること。

※山林は10年、その他の土地は5年、建物は3年、動産は6ヶ月を超えるもの

 

 

 

但し、形式的にこれらに該当しても、それが日常生活に関するものであるときは、保佐人等の同意は必要ありません。